皆さん、こんにちは!
自衛隊は普段キツい訓練をしていますが、その中でも1番キツい訓練と言えば、自衛官なら誰もがレンジャー訓練と答えるでしょう。
自衛隊員でもレンジャー訓練に参加した事がない隊員は、その訓練の中身は噂でしか知りません。
ただ人の噂というのは、大体オーバーに伝わっていくものですよね(笑)。
私も実際にレンジャー訓練に参加する前は色々聞かされて、恐怖のあまり毎日の訓練が終わった後に、オーバートレーニング気味に体を鍛えまくっていました。
そして実際にレンジャー訓練に参加した結果としては、「良くも悪くも想像通り」という印象でした!
自衛隊に興味が無い方もレンジャー訓練には興味がある方もいらっしゃるかも知れません。
という事で今回は、自衛隊のレンジャー訓練について、どれだけキツいのか、体験談を元にお伝えしていきます!
レンジャーって何?どれくらいキツいの?
「レンジャー」と聞いて、映画の様に敵をバタバタ倒していくヒーローを思い浮かべる人もいるかもしれません。
けれど、自衛隊のレンジャーはそんな華やかなものではありません。
実際は、味方の部隊が勝つ為に情報を集めたり、罠を仕掛けたり、どちらかと言うと地味な活動をします。
それでも命懸けの任務であり、そんなレンジャー隊員を育てる訓練は、“最前線で戦える兵士を育てるための超過酷な訓練”です。
訓練期間はおよそ2〜3ヶ月。
常に疲労、空腹、ストレスのトリプルパンチが続きます。
正直、「なんで俺、こんな地獄に自ら入ったんだろう…」って何度も思いました(笑)。
ただ、病院送りにならない限り自分の意思では帰らない覚悟はありましたよ。
レンジャー訓練のリアルな日常
訓練初日から常にピリピリとした緊張感があり、始まった瞬間から終わるまでの期間は、ずーっとリラックスする瞬間はありませんでした。
訓練の内容は大まかに期間の前半と後半で別れていて、後半に実際に山に入って戦争を想定した訓練をするのですが、前半はその期間に耐えられる心と体を鍛える期間になります。
前半の期間は移動は常に走っていて、どこかで助教に会えば大きな声で挨拶しなければその場で腕立て伏せをさせられるので、緊張感とストレスの日々。
自分の時間も無いので、夜中にこっそり起きて洗濯やアイロンがけをしていました。
後半の山での訓練は、基本的に飲まず食わず寝ず歩き続ける。
雨が降ろうが雪が積もろうが、山を登って下って、いつ終わるか分からない永遠に感じる時間を自分の体力だけで生き抜く日々。
山中訓練では地図とコンパスだけ渡され、「ここから30km先のポイントまで行け」。
もちろん道なんてない。
水もろくに無いから、雨水とか泥水をこっそり飲んだり。
あの時の疲労感と空腹感や睡魔は、今思い出しても胃がキュッとなります。
メンタルが壊れる寸前だった瞬間
食べれない、飲めない、寝れない状況の中で、何がキツいかは人それぞれだったと思いますが、個人的に一番きつかったのは、「寝れない」という状況。
真夜中に出発し、重い荷物(30~50kg)を背負って、ほぼ寝る事なく目的地までひたすら歩く。
その途中、何人か病院送りになって途中離脱するのは当たり前の光景。
自分も朝露の中の山道を降っている最中に転んでしまい、顔面を持っていた銃にぶつけて眉間から流血してしまい、正直「もうダメかも」と思った(今も傷が残ってます)。
でも体は動いたので、逆に「ここで諦めたら、仲間にに申し訳ない」って気持ちが湧いてきたんです。
メンタルは、体力以上に訓練されるんだと痛感しました。
※離脱者が出ると、その隊員の荷物は他の隊員が分散して持って行くので、1人でも離脱すると仲間に大迷惑がかかります。
自衛隊レンジャーのヤバさってどういう意味?
まず「レンジャー」っていうと、映画の特殊部隊をイメージするかもしれませんが、自衛隊のそれはもっと泥臭くて地獄的です。
自衛隊の中でも特に優秀で、精神的にも肉体的にも強靭な者だけが挑戦できるのがこのレンジャー訓練。
目的は、“どんな極限状態でも任務を完遂するためのスキルと精神力を叩き込む”こと。
「やばい」って言葉、いろんな意味がありますよね。
でも、この場合は「正真正銘、命の危機を感じるレベルでヤバい」って意味です。
実際にあった危険な瞬間
当時は必死だったので何も感じませんでしたが、今思えば一歩間違えれば取り返しがつかない事態になったんじゃ無いかという出来事が何度もありました。
例えば、
- 白い水を飲む
- 幻覚を見る
- 見た事ない木の実を食べる
など。
白い水を飲む
水筒は持っていますが、許可無く飲むことは禁じられているので水分が取れず、一度畑を通った時に喉が乾き過ぎてポカリスエットみたいな白っぽい水をガブ飲みしたのですが、結果的に体調を崩す事もなく済みました。
幻覚を見る
山を歩き続けたある朝方に疲れ果てながら歩いていると、左手の方角からモンペ姿のおばあちゃんが歩いてくるのが見えました。
内心「あー、一般の人に会えた」って思いながら歩いていて、そろそろすれ違うと思う距離を進んだのに全然合わずに、ふっと顔を上げると、また左手の同じ距離におばあちゃんが見えて、その後同じように歩き続けたのに、またいない…。
それを数回繰り返した時に、これは幻覚を見てるんだなって、自覚しましたが、どうしようも無いので見ることを諦めました。
見た事ない木の実を食べる
これは私ではなく、他の隊員ですが、山を歩いている最中に赤やオレンジや黄色のカラフルな色をしたトウモロコシみたいな木の実が木にぶら下がっていて、それをお腹が空き過ぎたのか、食べてしまった隊員がいて、その隊員は口の中が痺れてすぐに病院に行きました。
その他、空き缶に溜まった雨水飲んだり、アメンボ食べたりと常識では考えられ無い事が当たり前におきました。
訓練中は何度も、「訓練なのに、死ねるな…」とリアルに思いました。
訓練終了後
そして地獄のような訓練を経て、最終日の徽章授与式。
教官からレンジャー徽章を胸に付けてもらった瞬間、言葉じゃ言い表せない感情がこみ上げてきました。
同期と顔を見合わせて、誰からともなく「よくやったな」って声が出て、全員涙目。“ここまで一緒に来た仲間”って、もう家族みたいな存在なんですよね。
レンジャーを経た後、普通の訓練が「ヌルい」とすら思えるようになります。
誇り、強さ、自信、それを全部くれたのがこの訓練でした。
乗り越えた先に見えたものは「仲間と絆と誇り」です!
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「【元自衛官のガチ告白】レンジャー訓練のキツさまとめ!やばい体験を調査!」と題して、レンジャー訓練がいかにキツいのかを体験談を交えてお伝えしました。
正直、「レンジャー訓練はどうですか?」って聞かれたら、こう答えます。
「やるもんじゃねえ、でもやってよかった」
めちゃくちゃきついです。
寝れない、食べれない、辛すぎる。
でも、その分、自分自身が一回りも二回りも大きくなる。
人生の中でこんな極限を経験できるのは、そうそうありません。
そして、この経験があるからこそ、何かあっても大した事ないなって思える。
それがレンジャーの価値であり、誇りなんです。
いつもありがとうございます!
コメント