皆さんこんにちは!
最近はそうでも無いですが、昔はよく自衛隊に行くと無料で色々な資格が取れるから、「自衛隊を退職しても食いっぱぐれが無い!」とか、むしろ資格を取りたいから自衛隊に入隊するという方もいました。
そんな中で1番取りたい資格として、自動車運転免許になります。
ただ、実際に資格が取れるのか、本当に無料で取れるのか確信していないと、資格を取るために自衛隊に入隊したのに資格が取れなかったらと思うと自衛隊への入隊を躊躇してしまうと思います。
そして実は、自衛隊で取得する大型免許には“ある限定”がつくことがあるんです。
その限定とは…
「自衛隊車両に限る」
つまり、免許証にはちゃんと「大型」と書かれていても、自衛隊内の車両しか運転できないという制限付きの免許なんです。
これ、知らずに退職後にトラックドライバーになろうとすると、「え、民間のトラック運転できないじゃん…」ってなります。
そんな方の為に実際に自衛隊で自動車免許を取得した私が、実体験を交えて分かりやすく解説していきたいと思います。
という事で今回は、
- 運転免許の教習の内容・期間は?
- カリキュラムや教習の流れ
- 大型免許の限定解除の方法や費用は?
- まとめ
の順にお伝えしていきます!
運転免許の教習の内容・期間は?
自衛隊では「その職種に必要な免許」であれば、部内教習所などで無料で取得可能です。
費用は自衛隊負担、さらに教習中も給料が支給されるのが大きな魅力です。
免許取得のタイミングと部隊による違い
自衛隊、特に陸上自衛隊では、大型車両免許が部隊によっては取得可能です。
全ての部隊で必ず取れるわけではありません。
私は普通科のごく一般的な小銃小隊にいましたが、施設小隊などは車両が必要なため早めに教習が始まります。
ちなみに私は入って2年後にに教習が始まりました。
一度に教習を受ける隊員の数には限りがあるので、人によって教習が始まるタイミングはバラバラで3年目〜4年目に取得するケースもあります。
教習の流れと場所
教習は各中隊から数名づつ隊員が集まります。
私がいた駐屯地では、民間の教習所のような道路が駐屯地から少し離れた自衛隊が所有する敷地内に整備されていました。
教習中は、元の部隊の仕事はなく、演習に参加する事もなく、完全に教習に専念します。
使用車両と特徴
教習車両は基本的に3トン半トラックのマニュアル車です(陸自の場合)。
そもそも受講する隊員は大型自動車の運転をした事が無いので乗り心地を比べようも無いですが、自衛隊の3トン半トラックは乗りにくい方だと思います。
ちなみに、航空自衛隊などでは民間教習所を使ったり、7トントラックでの教習を行う例もあるようです。
教習コースと運転内容
教習にはS字クランク、バック駐車、横断歩道、踏切、坂道、ストレート道路など民間の教習所とほぼ変わらない設備がありました。
ストレートではアクセルをしっかり踏んで、加速の確認もされます。
ギアチェンジ、カーブ中の操作、ブレーキなども民間教習と同様にチェックされました。
ただ、敷地が民間の教習所に比べると狭かったので、コースを走っていても、とにかく色んな確認や操作が忙しかったのを覚えています(逆に実際の一般道では余裕を持って運転出来ました)。
自衛隊車両の特徴と教官の存在
自衛隊の教習車はハンドルが2つあります。
教官が助手席側にいて、必要なときは運転を交代できるようになっています。
ブレーキも教官側にあり、危ないと判断されたら即ブレーキをかけられます。
私が教育を受けていた時代はの教官は現役の自衛官で、陸士長~2曹クラスの20~40代くらいの隊員になります。
教官・助教は比較的ずっとその業務をしている隊員が多く、教える事に慣れています。
カリキュラムや教習の流れ
免許取得までのカリキュラムや教習の流れは。
教習のカリキュラム構成
最初に入校式があり、班は1班につき5〜6人。
全体で6〜8班くらいあり、教官が各班に1人つきます。
カリキュラム内容は以下の通り
- 学科(民間と同様の教科書、問題集)
- 点検(車両の外観、オイル点検など)
- 実技(ギアチェンジ、S字、駐車など)
教官との関係と雰囲気
教官・助教は基本的に怖い。
今の時代は改善されていると思いますが、当時はかなり厳しい面がありました。
例えば、走行中に「その線から先が崖だったらどうすんだよ!」など、言葉で圧力をかけられる場面もありました。
まぁ自衛隊なので、その点はそれが当たり前の感覚で過ごしていました。
仮免までの流れと運転実習
仮免許までは1人ずつ運転します。
他の2人は待機場所で休んでいて、1車両につき3人でチームを組み、順番に交代で運転します。
外の道路を走るときは、午前3人・午後3人のように分けられ、1車両に3人が乗車し、運転1人+同乗2人という形です。
本試験
本試験に関しては外部(免許交付運転免許試験場)で民間と同じ学科試験・適性試験を受け、合格後すると免許証の交付を受ける。
大型免許の限定解除の方法や費用は?
ここからは自衛隊限定大型免許の限定解除の方法や費用に付いて解説していきます。
そもそも「限定解除」って何?
限定解除とは、一般的に言うと…
- AT限定 → MT車も運転できるようにする
- 8t限定 → 大型トラック(11t以上)も運転できるようにする
- 準中型 → 中型 or 大型にステップアップする
つまり、「免許のグレードアップ」ですが自衛隊の限定解除とは、「自衛隊車両に限る」という限定された条件を外す手続きになります。
なぜ「自衛隊車両に限る」という限定がつくの?
理由はシンプル。
- 自衛隊での運転訓練・試験は、あくまで“自衛隊基準”
- 道路交通法の一部免除がある(道路法や車両規格の違い)
- 訓練コースや試験内容が民間と異なることが多い
つまり、完全な民間仕様の教習や試験を経ていないため、“条件付き免許”として扱われるというわけです。
限定解除ってどうやってやるの?
この「自衛隊車両に限る」という条件を外すには、運転免許センターで“限定解除試験”を受ける必要があります。
具体的な流れ
- 最寄りの運転免許センターに予約(電話またはWeb)
- 必要書類を準備(免許証・住民票・自衛隊での教育修了証など)
- 技能試験(実技のみで学科なし)を受験
- 合格したら限定が解除され、正式な「大型免許」に!
※地域によっては事前に適性審査や証明書の提出が必要です。
試験の実施日が限られているので、必ず免許センターに確認しましょう。
限定解除にかかる費用と時間
項目 | 内容・金額(目安) |
---|---|
試験手数料 | 教習料(技能6)、技能審査料1回、写真代約2,550円 |
合計 | 約90,000〜10,000円 |
民間教習所で大型免許を一から取ると30万円以上かかることを考えれば、限定解除はかなりコスパが良い選択肢です!
限定解除後にできること
限定解除が完了すると、晴れて
「民間の大型トラックも自由に運転できる」
状態になります。
退職後に物流業界や建設業界で働く人も多いので、
この解除はキャリアの選択肢を広げる超重要なステップです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「【体験談】自衛隊で無料で運転免許を取った話!限定解除についても解説!」というタイトルで自衛隊の運転免許について解説していきました。
自衛隊で免許を取るときには「無料」「給与あり」「手厚い指導」と、良いことだらけなんですが、“自衛隊車両に限る”という一文だけが盲点になりがち。
なので、退職後や転職時に困らないよう、在職中または退職後すぐに限定解除しておくことをおすすめします!
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