皆さん、こんにちは!
自衛隊の駐屯地の近くに住んでいる方なら分かると思いますが、自衛隊の駐屯地では、定期的にラッパの音が鳴っています。
例えば学校であれば、授業の始まりや終わりにチャイムが鳴ったり、一般の会社や工場でも時間を知らせる為にチャイムや音楽が鳴ったりしていると思います。
それが自衛隊ではラッパで知らせています。
そしてその時間によってラッパの音色も違います。
何となく自衛隊のラッパの音色の意味だったりとか、自衛隊員のラッパ手自体に興味がある方もいると思います。
今回はそんな方々の為に
自衛隊のラッパって何?その意味と役割を解説
実際のラッパの種類とそれぞれの意味とは?
ラッパ手って何する人?役割と重要性を解説
どうすればラッパ手になれる?条件と流れを紹介
自衛隊のラッパって何?その意味と役割を解説
「自衛隊のラッパってなんのために鳴ってるの?」とよく聞かれます。
結論から言うと、ラッパは時間管理と号令のための合図です。
スマホや時計がある現代でも、自衛隊では伝統と実用を兼ねてラッパが使われています。
朝の起床、食事、訓練開始や終了、点呼など、すべてラッパの音で時間を把握します。
つまり、ラッパが鳴ったら次に何をすべきかが全員分かる仕組みであり、時計よりも正確に、空気で指示を出せる音の信号なんです。
実際のラッパの種類とそれぞれの意味とは?
ラッパにもいろんな種類があります。
僕がいた陸上自衛隊の普通科連隊では、大きく分けると以下のようなラッパが使われていました。
- 起床ラッパ
- 点呼ラッパ
- 気をつけラッパ
- 君が代ラッパ
- 休めラッパ
- 食事ラッパ
- 訓練開始ラッパ
- 訓練終了ラッパ
- 消灯ラッパ
それぞれ具体的に説明していきます。
起床ラッパ
朝の地獄を告げるラッパ
これはもう、「爆音の目覚まし時計」。
朝6時前後、静まり返った営舎に突如響き渡る金属音…その名も「起床ラッパ」。
♪ パパパッパパー パー↑パー↓パパー ♪
最初はビックリして飛び起きるけど、慣れてくるとラッパが鳴る“直前の空気”でもう目が覚める。
「音で起きる」というより、「音に起こされる」。
そして点呼に向かってダッシュです(笑)。
点呼ラッパ
逃げられない“出欠確認”の始まり
点呼ラッパが鳴る=「全員並べー!」の合図です。
メロディは比較的シンプルなんだけど、鳴った瞬間に全員がビシッと並び始める様子はまさに“軍隊”。
しかも誰かが1秒遅れただけでもバレるし、「何で遅れたんだ!?」って怒られます(笑)。
このラッパを聞いた瞬間、全員が反射的に体が動く。
もう“体に染みついてる”レベル。
ラッパ1音で人が整列するのは、本当に圧巻ですよ。
※実際に厳しいのは、新隊員やレンジャー訓練など特別な訓練の時だけです。
気をつけラッパ
ピシッ!背筋が一瞬で伸びる音
これは一音で全員の背筋をピンッ!とさせる魔法の音。
課業開始時の君が代ラッパの前で使われます。
「気をつけ!」の号令と同時に吹かれることで、会場の空気が一瞬で引き締まる。
吹く方も緊張感MAXで、タイミング命。
吹く方も聞く方も緊張感があります(笑)。
君が代ラッパ
国旗掲揚&国歌斉唱、最高の緊張感
ラッパの中のラッパとも言えるのが「君が代ラッパ」。
国旗掲揚・降納時や、重要な儀式で演奏される、まさに“厳粛の象徴”です。
メロディはラッパ版の「君が代」で、言葉はなくとも国歌と分かる音階構成。
一音一音に重みがあって、吹く側にはかなりの集中力が求められます。
実際、ラッパ手に聞いたことがありましたが、緊張しすぎて手が震えるそうです(笑)。
一発勝負のプレッシャーが半端ないラッパです。
休めラッパ
リラックスの合図
「気をつけ」のあとにはだいたいこの「休めラッパ」が続きます。
少しだけ柔らかいトーンで、ほんのり“安心感”のあるメロディ。
足を広げて姿勢をゆるめる「休め」の動作に合わせて吹かれますが、緩みすぎ注意。
ちゃんと角度や立ち方が合ってないと、すぐ注意が飛んできます。
「休め」とはいえ、あくまで“整列状態の中の休憩”です。
食事ラッパ
みんなのテンション爆上げ合図
これが鳴ると、食堂へダッシュ!
食事ラッパは、「希望の音」です(笑)。
「パパーン♪ パパーン♪ パーパーパーパパーン♪」みたいなメロディで、どことなく陽気。
疲れ切った体にとっては、ご飯だけが救い。
このラッパが聞こえると、自然と笑顔になったり「今日、何だろ?カレーか?」ってワクワクする人が多いです。
ちなみに、食事ラッパはちゃんと時間厳守。
遅れると食堂閉まって地獄見るので、全力で集合です。
訓練開始ラッパ
本番開始、気合い入れろ!
これが鳴ると、「ああ、今日も始まったな……」って気持ちになります。
訓練開始ラッパは、起床ラッパとは違って「やるぞモード」に切り替える音。
射撃訓練や行進訓練、戦闘訓練など、内容によってはガチで命がけの場面もあるので、このラッパで一気に空気が張り詰めます。
冗談抜きで、ラッパが鳴ると空気の温度が変わるんですよ。
「集中しろ、気を抜くな」って無言のプレッシャーが来る。
訓練終了ラッパ
今日の仕事、これにて終了!
このラッパが鳴ると、「あ〜終わった〜!!」と、全隊員が内心で叫びます(笑)。
午前や午後の訓練・業務が終わったタイミングで吹かれるラッパで、言ってみれば「おつかれさまでしたの音」。
メロディはややゆったりめで、「一区切りついたな〜」って空気にぴったり。
個人的には1番好きなラッパです!
消灯ラッパ
1日が終わったけど油断するな
夜の静寂に響くのが「消灯ラッパ」。
これは文字通り、「今日の任務は終了です、おやすみ」の合図。
ただし!
ラッパが鳴ったあとにすぐ寝られる人は少数派。
大抵は明日の準備や反省会があるし、心がざわついてて眠れないことも。
でも、このラッパはどこか寂しくて、ノスタルジック。
吹いてるラッパ手も、ちょっと気持ちが沈んでることが多いかも(笑)。
「今日も1日、終わったな」って、しみじみ感じる音です。
※この他「命令回報ラッパ」などあります。
ラッパ手って何する人?役割と重要性を解説
「ラッパ手」って聞くと、なんとなく音楽隊の人?って思われがちなんですが、実は普通の中隊にも必ずラッパ手は存在します。
自衛隊の中でラッパ手は、部隊全体に時間・行動を知らせる“音の司令塔”の役割を果たしています。起床、点呼、訓練、食事、消灯……すべての合図がラッパによって伝えられ、それができるのが「ラッパ手」。
つまり、ラッパ手なしでは部隊は回らないと言っても過言じゃないんです。
どうすればラッパ手になれる?条件と流れを紹介
「ラッパ手になるにはどうしたらいいの?」って疑問に思われる方もいるかもしれません。
正直に言うと、音楽経験があってもなくても、関係ありません。
逆にラッパ手の中で音楽経験者の方が少ないくらいで、音楽は中学のリコーダー止まりの隊員も多いです(笑)。
ラッパ手になるには、主に以下の流れで選抜されます。
【ラッパ手になる流れ】
- 新隊員教育が終わり中隊配属になった時点で早めに希望を出す
各中隊が「この子いけそう」と思った人をピックアップ - 基礎ラッパ教育(2〜3ヶ月)
ピストンなしの「吹奏訓練ラッパ」で音出し練習 - ラッパ号令テスト(数パターン)
起床、点呼、食事、消灯などのパターンを演奏 - 検定に合格するとラッパ手としての資格を手に出来ます
要は、本人のやる気+息のコントロール+音感ちょっとあればいけます。
あと大事なのは、「大きな音が出せるか」です。技術より声量、いや「肺活量」かもしれません(笑)。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「自衛隊のラッパって何のため?ラッパ手になる方法も調査!」と題して、自衛隊のラッパの意味やラッパ手になる方法をお伝えしました。
自衛隊のラッパは、単なる「音」ではなく、隊員たちの生活を律し、行動を指示し、仲間と時間を共有するための“合図”です。
日常では体験できないこのリズムが、規律と連帯感を生み出し、隊員たちを一つにしていく。その一音一音に、自衛隊の文化と歴史が刻まれています。
そしてラッパ手は、それを聞く隊員全ての行動を操ります。
たった一音で、100人以上の隊員が起立・整列・行進する。
これはプレッシャーも半端ないです。
それだけにやりがいがある任務です!
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